日本のギャンブルの歴史

ギャンブル(賭博)が、原則として禁止されている今の日本。

競馬やパチンコ、宝くじなどの国が認めた数種類の賭博以外は、違法とされています。

日本はギャンブルに縁がないのかと思いきや、ギャンブルは違法なものとされていながら、パチンコは年間の売上規模は約15兆円とも言われるほどの巨大な産業です。

そして実は、日本のギャンブルの歴史はかなり豊かなものです。

 

 

日本のギャンブルの歴史

 

日本に限らず世界でも、ギャンブルは古代から何世紀にもわたって娯楽として人気の存在です。

日本のギャンブルの歴史でいうと、文学の発展がめざましい時代であった平安時代(794年〜1185年)に貴族たちの間で人気があったり。

投扇興(とうせんきょう)と呼ばれる、矢を的に投げるギャンブルが宮廷の儀式で行われていたりと、ギャンブルは古代から日本の社会において行われてきていたものです。

しかもこの平安時代ですら、博徒(ばくと)というプロのギャンブラーを指す言葉が生まれています。

はるか昔の平安時代ですら、博打で世渡りをしている博打打ちの人々の存在が確認されている日本。

日本の歴史には、多くの人の射幸心を煽ってきた歴史もあります。

 

日本で最初のギャンブル

 

平安時代にはプロのギャンブラーの存在が生まれた日本ですが、日本で最初のギャンブルはもっと早い時代に登場しています。

日本で最初のギャンブルは日本最古の歴史書である日本書紀に記載されており、685年に天武天皇が「博戯(はくぎ)」と呼ばれるすごろくのようなゲームを見物されたとあります。

当時は牛馬が賭けられたそうで、意外と古い時代から日本で賭博はしっかり存在していました。

しかもこれが、非常に流行ったそう。

戦国時代には合戦の合間にサイコロを使った「丁半賭博」が、命をかけて戦う足軽たちの間でストレス解消のリフレッシュとして爆発的に人気になっていたり。

足軽にとっては合戦に参加すること自体がギャンブルのようなものだし、バクチは戦場の現実を忘れることができる唯一の楽しみだったのかもしれません。

ちなみに戦場ではお金を持っていてもなんの役にも立たないので、賭けられるものは食料や衣類といった命をつなぐものだったそうです。

賭けることができる所持品を失った足軽は、最後には武器防具まで賭けたとか。。

 

江戸時代 ギャンブル

 

時代を経て江戸時代には、さまざまなギャンブルが日本で大流行します。

ギャンブルは不道徳な活動として位置づけられ、死刑が科せられる可能性もあるほど厳しい処罰が課せられる存在に。

それにも関わらず「花札」などが一般庶民の間でも広まり、世界から日本は「賭博大国」とよばれるほどの状態になります。

もちろん一般庶民だけでなく侍の賭博も禁止されていましたが、幕府公認で現在の宝くじのような「富くじ」というギャンブルが開催されていたり。

しかもその中心にあったのは神社仏閣で、金刀比羅宮や出雲大社などの有名な神社が熱心に主催していたり。

江戸時代には庶民も武士も、一獲千金を夢見てギャンブルにめり込んでいたようです。

 

明治時代 ギャンブル

 

明治時代になると西洋の文物を取り入れようとした文明開化によって、現在のトランプが日本に入ってくることに。

そしてこのトランプが大流行し、江戸時代から禁止されていた花札が解禁されることになります。

その一方で明治時代には博徒を一網打尽にする「賭博犯処分規則」が施行されたり、実際に博徒の大量検挙なども行われました。

カルタや麻雀牌、花札、トランプに課税される骨牌税が導入されたり、明治時代はギャンブルに対する規制が厳しい時代になります。

ちなみに明治3年(1870年)には、賭博としてではなく「屋外の社交場」という形で競馬が開催されたり、イギリスで始まったとされる近代競馬が日本にも導入されていきます。

 

公営ギャンブル 歴史

 

公営ギャンブルは第二次大戦からの復興や、自治体への寄与といった目的で実施されました。

公共スポーツとしての、競馬、競輪、競艇、オートレース。

国や地方自治体の収入増のために開催される、宝くじ、公共スポーツ、totoなど。

そして公営ギャンブルではないにも関わらずギャンブルとしての地位を確立させ、今や日本の巨大産業となっているパチンコ・パチスロ。

警察庁としては、パチンコはギャンブルじゃないって認識みたいですけど。

第二次世界大戦後、相次いで誕生した公営ギャンブル。

戦後78年という歴史を積み重ね、現在では各省庁の天下り先として利権を生み出すために、公営ギャンブルやパチンコは手放すことのできない存在になっているとても深い闇です。

 

日本のギャンブルの歴史 まとめ

 

すごろくのようなゲームでギャンブルが行われたことが、日本書紀で確認された1300年も以上前。

それから時代を経てカルタや花札、そして競馬やパチンコと日本では賭博が楽しまれてきました。

その時代時代で禁止されたり公認されたりしていますが、確実に賭博は日本の歴史にとても根強く関わっている文化の一部ともいえるものです。

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